こんにちわ、店長の伊藤です。ハバネロ・ジョロキアなど世界の唐辛子文化を日本に広めようと、唐辛子プロジェクトを発足させ自社で国内契約の唐辛子を栽培し商品開発や普及に努めています。
今回は、最新版の「唐辛子の辛さランキング」をお届けします。さらに、辛さを計る基準についても、雑談を交えて(というか雑談中心に)ご紹介していきます。
唐辛子に囲まれた紳士の正体は?
真っ白な白衣に豊かな口ひげ。イラストからも知的なオーラを醸し出す彼の名は、ウィルバー・スコヴィル氏 (1865.1.22–1942.3.10)。上のイラストは、2016年の1月22日に掲載されたGoogleのホリデーロゴです。誕生から151年を迎えた偉人にスポットを当てた仕様となりました。
「いやいや、誰?」という声が大半でしょう。確かに、一般の方でスコヴィル氏を知る人は稀と言えます。しかし彼は、私が愛する唐辛子を語る上で、絶対に外すことのできない人物です。
唐辛子の辛さを計る単位は「スコヴィル値」と言います。彼の名前はウィルバー・スコヴィル氏。もうお分かりですね? そう! 彼こそがスコヴィル値の生みの親。唐辛子の辛さランキングの、基準を作ってくれた人なのです。
スコヴィル値とは?
では、改めて「スコヴィル値」についてご紹介します。
唐辛子には「カプサイシン」という成分が含まれています。この成分こそが辛みの素になっていて、「カプサイシン」の割合を示す値=辛さを示す値が「スコヴィル値」となります。生前に彼が発表した「スコヴィル感覚器官検査」は、唐辛子の辛さを計る方法として認められ、今現在も公式な検査方法として認定されています。
この検査方法がちょっと面白い。「カプサイシン」の量を計るために、該当する唐辛子の辛味成分を抽出して、砂糖水で何十倍・何百倍にも薄めていきます。これを検査担当者が舌で舐めて、辛味を感じなくなったところで唐辛子の辛み、すなわち「スコヴィル値」が判明します。
「え?人の舌で決めるの?」
その通り。この検査方法は人間の舌に頼るものです。さらに検査の途中で舌が辛みに慣れてしまうため、正直なところ「めっちゃアバウト」な検査方法と言えます。基準を定めた時代が古いことも関係している…のかもしれませんね。
さすがに近年では検査機器も発達しました。現在は人間の舌を使って計る方法ではなく、「高圧液体クロマトグラフィー(HPLC/通称名:液クロ)」という測定器で計ることが多いようです。
しかし、人の舌で計る方法が長年親しまれてきた「スコヴィル値」。最新技術の導入があっても、世論に浸透した意識を変えるには時間がかかるようです。ギネスブックの辛さの位置付けが「スコヴィル値」で発表していることもあり、多くの商品や企業は、「液クロ」の測定結果を「スコヴィル値」に置き換えて発表していることが多いそうです。
唐辛子辛さランキング最新版!
ランキングの基準はもちろん「スコヴィル値」。それでは、辛い物好き必見の唐辛子辛さランキングをご紹介していきます。
【圏外:ピーマン】
スコヴィル値:0スコヴィル
スコヴィル値のピーマンは優しい味がしますね。子供が嫌いな野菜の筆頭ですが…。
【3位:ブート・ジョロキア】
スコヴィル値:約100万スコヴィル
インド原産の唐辛子で、現地では対猛獣用の武器にも使用するとかしないとか…。なにはともあれ、想像を絶する辛みを味わえる唐辛子です。食べた男性の食道に穴が開いたという事例もあるほど。
▼世界で2番目に辛いチリを食べた男性 食道に2.5cmの穴(米) – エキサイトニュース
https://www.excite.co.jp/News/world_clm/20161019/Techinsight_20161019_310492.html
▼試してみたい方はこちら
https://www.togarashi.co.jp/shopbrand/bhutjolokia/
2位:トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー
スコヴィル値:約146万スコヴィル
防護服なしでは調理できないと言われる激辛唐辛子。トリニダード・トバゴが原産で、実の先端がとがっていることから、サソリ=スコーピオンの名が付けられました。
▼試してみたい方はこちら
https://www.togarashi.co.jp/shopbrand/trinidadscorpion/
1位:キャロライナ・リーパー
スコヴィル値:約150万~220万スコヴィル
2017年現在で、ギネスに認定されている世界一辛い唐辛子。その名も「キャロライナ・リーパー」。スコヴィル値は2位の「リニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー」を大きく上回ります。お買い求めの際にはしっかりとした心構えを!
▼試してみたい方はこちら
https://www.togarashi.co.jp/shopbrand/carolinareaper/