こんにちは。唐辛子の伝道師・伊藤です。

今回は、唐辛子の保存方法のご紹介です。パウダー状のものを保存するときの注意点や、生唐辛子を保存するときの方法に分けてご説明したいと思います。

唐辛子に限らず、スパイスは「香り」と「色」が命。デリケートな扱いが肝心です。いずれにしても「光」、「熱」、「湿気」は大敵です。

パウダー状の唐辛子は使用方法と保管場所に気を付けよう

パウダー状の唐辛子も、スーパーなどで目にする唐辛子を荒く砕いたものも、注意点は同様です。料理に明るい主婦の方には釈迦に説法かもしれませんが、注意することは次のポイント！

火のそばに置かない

調理中、コンロなどの近くに唐辛子を置くことは避けましょう。熱が加わると、唐辛子の風味が損なわれてしまいます。

鍋の上などで直接振り入れない

煮込み料理などに唐辛子を使用する際、鍋の上から直接唐辛子を振って入れることは止めましょう。熱の影響もありますが、湿気ってしまう恐れがあります。

保管場所は冷暗所

吊り棚などに唐辛子を置いている人がいるかもしれませんが、これは避けたい保管方法です。理由は湿気の問題。料理中の湿気が唐辛子を悪くしてしまうからです。気温が高くならない戸棚の中などに保管し、使い終わったらすぐにしっかりとビンの蓋を閉めるようにしましょう。また、唐辛子はお子さんの手の届かないところに保管するのがベターです。

生唐辛子の保管方法は「冷蔵」「冷凍」「乾燥」の3つ

生唐辛子は大きく分けて3つの保存方法があります。ひとつ目は「冷蔵」、ふたつ目は「冷凍」、3つ目が「乾燥」です。

それぞれにメリット・デメリットがあり、唐辛子をどのように使うかによって選ぶ保存方法が異なりますので、適したものを選ぶようにしましょう。

近いうちに食べるときは冷蔵保存

近々食べるつもりの生唐辛子は、冷蔵庫での保存で良いでしょう。手間なく調理することができます。

保存できる期間は1週間といったところでしょうか。唐辛子のような香辛料は長持ちするように思われがちですが、意外とそんなことはありません。保存するときは密封できるパックなどに入れましょう。

長期保存の場合は冷凍保存

長期間使わないときは冷凍保存がおすすめです。1本ずつラップで包んで保存すると良いでしょう。保存するときは面倒ですが、使う分だけ取り出せるので案外便利です。しっかりと処理しておけば、3カ月～半年ほどは持つでしょう。

とはいえ、あまり長く寝かせてしまうと味も鮮度も落ちてしまいます。なるべく早めに食べるに越したことはありません。冷凍して変色してしまったものは、味も鮮度も落ちていますので、生ごみとして処理したり、嫌いな人に投げつけたりしましょう(嘘です)。

使用するときは解凍しますが、はさみなどで細かく切り、水にさらしておけばOKです。

唐辛子を一番長持ちさせる方法は乾燥保存

乾燥保存のメリットは、何といっても長期保存できること。しっかりと乾燥させたものならば、1年くらいは持つでしょう。

方法は、収穫した唐辛子を日の当たらない軒下などに吊るして乾燥させます。風通しの良い日が続けばBESTですね！

数日間放置しておくと、実の表面にシワができ、振るとカラカラ音がするようになります。乾燥させる期間は品種によって異なるので一概には言えませんが、ひとまず1週間ほどを目安に考えて様子を見ましょう。

乾燥した唐辛子は、水分が入らないように密封保存します。瓶詰めなどして台所に置くと、ちょっとしたオブジェにもなります。

乾燥のデメリットは、何といっても手間が掛かること。これに尽きますね。面倒臭がりの人にはおすすめしません。あ、そもそもやらないか…。とはいえ、手間を掛けてみると案外おもしろいので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください！

注意！ すべての唐辛子が一般家庭で乾燥保存できるわけではない！

さて、ここで落とし穴があります。有名な国産唐辛子の「鷹の爪」や「三鷹唐辛子」などは、恐らく家庭でも乾燥させることができます。しかし、世界一辛い唐辛子として知られる「キャロライナ・リーパー」などは、一般の方が乾燥させることはとても難しい。

何が違うかというと、ズバリ果肉の厚さです。キャロライナ・リーパーやトリニダード・スコーピオン、ブート・ジョロキアやハバネロなどの肉厚な激辛唐辛子は、天日干し程度ではしっかりと乾燥させることができないのです。

ちなみに私たちは、機械を使って乾燥させています。いやぁ文明って、本当に素晴らしいですね(笑)